樹木医とは
その字の通り、樹木のお医者さん。
樹木の調査・研究、診断・治療、公園緑地の計画・設計・施工監理などを通じて、樹木の保護・育成・管理や、落枝や倒木による人的・物損被害の抑制、後継樹の育成、樹木に関する知識の普及・指導などを行う専門家です。
樹木医登録者数(令和2年現在)は、全国2,985人(会津地方3人)。
樹木医になった理由
造園業の仕事は幅がとてもひろく、植物の事はもちろんウィルス、菌、虫、鳥、水、季節、土、など知らなければならないことは多岐にわたります。知れば知るほど、どう対応してよいのか分からなくなることばかりです。
もっと自然界の声を聴かなければ、これ以上お庭や植物と深い関係になることはできないのではないか?と思って色々調べてみると、樹木医という資格があることを知り、取得しました。
それからも日々勉強しながら樹木医として、後世に残すべき貴重木や桜並木、代々引き継がれているような樹木などの診断、治療を行っています。
樹木医としての仕事
病害虫対策
case1.マツノザイセンチュウ病
通称松くい虫と呼ばれる病気です。
この病気に罹病した松は80%以上枯れてしまうと言われています。
山の松の木が爆発的に枯れているのはこの病気が原因です。
松の木を枯らしてしまうマツノザイセンチュウは人間の目には見えない小さなセンチュウです。
マツノザイセンチュウ抽出試験
マツノザイセンチュウは人間の目には見えないので、まずは木片を採取して、水を注ぎます。 1~2日後、下部に沈殿した水を顕微鏡で覗いてマツノザイセンチュウの有無を調べます。
予想通りマツノザイセンチュウが見つかりましたので、ご相談した結果、伐採となりました。
樹勢回復
樹木が衰弱している、または樹木の育ちが悪いなどの原因は外的要因 除草剤散布、枝の切りすぎなどを除けばそのほとんどが土の中の環境が原因です。
土を堀ってみて根と土の状態を診断しています。
case2.根と土壌の診断~ソメイヨシノ
グラウンドのソメイヨシノの育ちが悪いとのご相談でした。
根本を見ただけで苦しそうに見えます 。土を掘って見るととても固く、水や酸素の吸収ができなくなっているようでした。
土壌の土をほぐし、水や酸素の吸収が良くなるように土壌改良を行う診断、治療を行いま した。
case3.根と土壌の診断~シダレザクラ
シダレザクラを植えたのに5 年近く全く育ってないとのご相談でした。
通常樹木の根本は少し太くなっていますが、このシダレザクラの場合は太くなっていませんでした。少し土を掘ってみると、 25cm下に本来の根本がでてきました。
樹木の多くは地上から30cmの範囲 で水の吸収や呼吸を行っているので、この状態では窒息してしまいます。
早急に掘り起こし、本来の高さに植えてあげるよう診断をしました。