移植というのは、植物の引っ越しのことですが、人間でも引っ越しはかなりのエネルギーをつかいますよね?
植物のことについて聞かれた際にはいつもお話しさせてもらっている話ですが、植物も人間もそう変わりません。人間が嫌な事は植物も嫌なことが多いのです。
真夏や真冬の引っ越しよりも春や秋のほうが人間も植物も疲労度は少ないはずです。
植物は種類によって引っ越しがなんてことない種類と苦手な種類があります。
今回は引っ越しが非常に苦手なフジの引っ越しです。
フジが植えてある場所に石碑が建つことになって伐採することになったのですが、それを聞いた施主さんが
「なんとか助けてあげたい!」
とお話を頂きました。
なるべく根を傷つけないように少しずつ堀り上げていきます。
丁寧に根巻き(根を守るための包帯)をしていきます。
フジは普通の植物の引っ越しとは違い、なるべく根を切らないように根を追いかけて掘ります。(追い掘りと言います)
十分養生しながら2日かけて堀り上げ、引っ越しです。
今のところ衰弱の気配がないのでお客様に水やりの説明をしてお引渡しです。
ここから夏を越えられるか、新芽がでてくるか、要経過観察になります。
※10月現在では衰弱もなく、新芽もでているので、もう大丈夫です!一安心
私たちのできることは、植物を知り、植物たちの生きる環境を整えてあげる程度のことしかできません。
今回は上手く引っ越しすることが出来ましたが、枯死してしまうことももちろんあります。
これは大丈夫と思った樹木が枯れてしまったこともあるし、これはダメだろうと思った樹木が成功したり、
まだまだ植物の気持ちは理解できません。理解しているつもりになっているだけのようです。
日々勉強です。
まさに~voice of nature~