「いつ切る?」がポイント 剪定と花芽の話

 初夏になると春から始まったお花のシーズンも一段落して、山やお庭の主役は緑になります。初夏は植物たちが一年の中で最も成長する季節です。
 そこで、今回は剪定のお話をしたいと思います。枝や葉を切ることや整えることを剪定といいますが、植物たちを剪定するのには適した時期があります。

 樹木には大きく分けて常緑樹と落葉樹の2つが存在します。
常緑樹とはスギやマツのように冬も葉が落葉せずに一年中緑の葉が付いている樹木、落葉樹とはサクラやモミジのように冬に葉を全て落とす樹木です。

 常緑樹の剪定の適期は5月~6月、落葉樹の剪定の適期は葉が落葉してから葉を新しく出すまでの冬の期間です。この適期にはどんな剪定ができるのかというと、太い幹を大きく切り詰めたり、枝の50%以上を切って樹木の形を大きく変えてしまうような剪定ができる時期です。その他の軽めの剪定などは通年行っても大丈夫です。軽めの剪定とは、お隣さんに越境してしまった枝を少し切る、ピョーンと立ち上がってしまった枝だけを切りそろえる、というようなイメージです。

 植物は葉で光合成をしてごはん(エネルギー)を作っています。剪定で葉を少なくするということは、食べられるごはんの量が減ってしまうということになるので、葉を減らせば減らすほど弱ってしまいます。植物に負担をかけずに剪定をする目安は葉の総量の30%減までとされていますので、剪定する際の目安にしてください。

 次に、花と剪定の時期についてお話します。

 花は花芽が膨らんできて花が咲くわけですが、実はその前から細胞の中にわたしたち人間の目には見えない小さな花芽を作っています(これを花芽の分化といいます)この小さな花芽が少しずつ成長していって花となります。来年も花を咲かせるための剪定で気を付けなければならないのは、この目に見えない花芽を切らないように剪定することです。

 植物の花が咲く時期には大きく分けて春と夏の2つに分かれます。

 春に花が咲く植物の多くは夏~秋に花芽が細胞の中で作られ、夏に花が咲く植物の多くは翌春に花芽が作られます。細胞の中で花芽が作られる前に剪定するのが翌年も花を見るための剪定のタイミングです。
 例えばアジサイを冬にバッサリ切ってしまうと、どうなるでしょうか?アジサイは上の例でいうと、春に花が咲く植物に分類されるので、花芽は夏~秋に作られます。なので、冬にバッサリ切ってしまうと翌年は花が咲かないアジサイになってしまいます。

 簡単な覚え方としては花が終わったらできるだけ早く剪定する、と覚えてください。
草花に関しては花芽が作られる時期が種類によって様々なので、草花の名前をインターネット等で花芽、分化、などのワードを入れて調べてみてください。